「Vyatta」とは、米国Vyatta社によって開発された、ソフトウエアベースのルータコンポーネントです。
Vyatta社は、オープンソース版のVyatta Coreと製品版のVyattaの二つをもっていましたが、Vyatta社がBrocade社に買収されたのち、VyattaはBrocade社のBrocade vRouterに統合され、Vyatta Coreは、オープンソースコミュニティに引き継がれVyOSとしてメンテナンスされています。 当社では、お客様のニーズにお応えしBrocade vRouterだけでなく、CiscoルータやJuniperルータなど様々なメーカのルータのサポートも可能ですが、オープンソースで配布されているVyOSについては、お客様独自にカスタマイズし、メンテナンスし、運用までサポートすることが可能です。
VyOSの場合、LinuxベースのOSにZebraなどのオープンソースのルーティングソフトウエアをはじめとして、様々なオープンソースソフトウエアが、Vyattaが開発した一つのコマンドラインインタフェースやAPIによってまとめられた、アプライアンスと考えることができます。
ソフトウエアルータは、それを稼働させるコンピューターの性能に大きく依存するため、ハードウエアベースで開発されたルータよりも性能に劣ることが知られています。 しかし、近年のコンピューターの大幅な性能向上やクラウドネットワークの発達によって、ソフトウエアルータの性能もそれほど悪く無くなったことに加え、ルータにも高い柔軟性が求められるようになりました。
VyOSは、このような柔軟性が求められる環境、コストを最大限に抑えなくてはならない環境に最適なルータコンポーネントなのです。
近年のクラウドネットワークの発展は、ネットワークやWebサービスを構築する際の概念すら大幅に考え直さなくてはなりません。これは、サーバのみならず、ネットワークの仮想化も既に始まっていることを意味します。
ネットワークの仮想化によって、ネットワークは物理制約から一瞬で解放されます。この物理的制約から解放されたネットワークを使うことで、より自由なネットワークが構築できるのです。一方で、これらの恩恵を受けるためには、ルータコンポーネントすら仮想化されなくてはなりません。つまり、Vyattaの出番となるわけです。
Vyattaは、物理サーバに導入するだけでなく、仮想化環境に導入もできるように仮想化対応したテンプレートも配布しています。これにより、複雑なインストール作業をすることなく、今ある環境に容易にクラウドルータを導入することが可能です。
Vyattaはソフトウエアルータであるため、サポートできる機能面や拡張性でハードウエアルータと比較して大変優れています。
大きくわけて、Vyattaには「Vyatta Core」、「Vyatta Subscription Edition」の2つのディストリビューションがありますが、これらは、無償版、有償版という部分での差で、有償版という意味ではディストリビューションは1つです。つまり、1つのディストリビューションでVyattaが備えるほとんどすべての機能が使えます。
通常、ハードウエアルータであれば、ハードウエア性能(スループット)やサポートする機能でハードウエア構成や製品が異なるため、価格に大きな差がでてきます。しかし、Vyattaの場合、機能自体はソフトウエアが全てサポートするため、ディストリビューションとしてこれ一つでよく、性能は、Vyattaをインストールするマシン、または仮想環境性能に依存します。
つまり、ユーザーは必要な性能要件に応じてハードウエアまたは仮想環境を用意し、それにVyattaを導入すればよいのです。
さらに、このような環境では、導入当初性能を必要としない場合に比較的低い性能の環境で運用し、高性能が必要となった場合に、ハードウエアだけ入れかえればよいため、必要スケールに応じて環境を調整していくことも可能になるのです。 ハードウエア環境については、Vyattaでも随時検証を行っており、その情報は公開されています。ユーザーはここから選ぶことも可能です。
Vyattaは、このように様々な機能を1つのディストリビューションの中にパッケージしています。これにより、機種選定の様な余分な労力を使わず、ユーザーは性能面だけを気にして、仮想環境上のリソースを選択していけばよいことになります。
また、Vyattaはネットワークの経路制御をおこなうためだけのコンポーネントではなく、様々なネットワーク機能を提供してくれます。 代表的には、ファイアウォール機能、QoS機能、Reverse Proxy機能、NAT機能、VPNサーバ機能などです。これにより、ISPクラスで必要になる機能から小規模オフィスで使用するような機能まで幅広く使用できるのです。
詳しくは、Vyattaが公開しているデータシートでご確認ください。
まほろば工房では、これまで培ってきたネットワークの構築・運用経験、そしてシステム開発等の幅広い経験から、Vyattaを活用した様々な提案を行っていきます。
特に「Vyatta Support」のメニューでは、Vyattaの導入・構築支援ならびにコンサルティングだけでなく、ネットワークの構築・運用に至るトータルなサポートを企業網、ネットワークサービス、ISP運用・構築など幅広い視点でサポートさせていただきます。
Vyattaは、仮想アプライアンスとして、ライセンス提供されます。これをハードウエアに直接インストールするか、もしくは仮想環境にインストールするかについては、お客様にゆだねられています。
これにより、お客様にはハードウエアを自由に選べるという自由度が与えられているわけですが、反対にインストールやハードウエア選定に係る作業をお客様が背負わなくてはなりません。
そこで、まほろば工房では、この支援サービスを行っています。主なメニューは、以下の通りです。
まほろば工房では、Vyattaだけでなく様々なネットワーク機器に対応することが可能です。
また、インターネット関連のプロトコルにも精通したエンジニアがサポートに当たりますので、単純な機器サポートとは一味違います。
機器間のインターオペラビリティ(相互運用性)を考慮し、相性などの情報なども駆使しながらその対応に当たります。
これらのサポート・運用支援サービスのメニューは以下の通りです。
VyOSをベースとした小型ルータの販売・開発を行っています。
VyOSは、Vyattaをベースとしたオープンソースのルータソフトウエアです。
まほろば工房では、これを使用してお客様オリジナルのルータの開発とそのサポート・出荷支援を行っています。
自社独自のマネージドルータの開発なども可能となり、サービスの幅が広がります。
是非、一度ご相談ください。